低線量放射線はなぜ身体によいのか


ホルミシスとは、ある物質が高濃度あるいは大量に用いられた場合は有害であるのに、低濃度あるいは微量に用いられれば逆に有益な作用をもたらす現象を示す言葉である。ここでいうホルミシスとは、放射線ホルミシスのことである。低線量の放射線を使用することにより人間に有益な作用を起こすもので、低線量放射線ホルミシスともいう。
このホルミシス効果が作用するのは、細胞内のミトコンドリアがエネルギーを作り出す仕組みに対してなので、まずミトコンドリアについて説明する。
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細胞質の解糖系でグルコースから生成されたピルビン酸はミトコンドリアのマトリックスへ輸送される。ここで生成したアセチルCoAはクエン酸回路に参加する。そしてクエン酸回路から出た水素原子は、電子伝達系でプロトン(水素イオン)と電子に分解する過程があるが、この過程において「太陽光(紫外線)」と「微量放射線」が必要になる。
 
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つまり、この最初の行程で水素原子を解離するのに赤外線(熱エネルギー)、紫外線(励起エネルギー)、放射線(電離エネルギー)が利用されているわけだ。天気がいいと気分がよく、日光浴をして元気が出るのはこのような理由が考えられる。
放射線は宇宙線やまわりの環境の岩石や土からも得られるが、ふだん大きな影響を与えているのは、野菜や果物など食物に含まれているカリウム40である。カリウム40はカリウム全体の0.012%に過ぎず、ふつうに存在するカリウム39よりも中性子が1個多く、ベーター崩壊しながら電子線を放出していて、いずれカルシウム40に変換する。
普段は、このカリウム40が放射性同位体として水素原子の電離にかかわっている。温泉などの微量放射線はこれをアシストしたり、増強する作用がある。これが低線量放射線ホルミシスの本質と考えられるのである。

秋田の玉川温泉、鳥取の三朝温泉、新潟の村杉温泉などのラジウム線が長い間日本人の病気を癒やしてきた謎は、温めることと微量放射線によるミトコンドリア呼吸の活性化だったということだ。
このホルミシス効果は、現段階ではまだ仮説であるが、有効性が広く認められていることは間違いない事実だろう。
一例として、日本の安倍首相は、難病に指定されている潰瘍性大腸炎の治療薬としてアサコールを服用しているが、これは症状を緩和するためで根本治療はできない。そこで、放射能泉と同じ効果を期待できるラドン吸入機を自宅に設置して、ラドンガスを吸入しているという。
彼がこれからも総理大臣の激務に耐えられるなら、ホルミシス効果が有効であることの証左になるのかもしれない。




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Commented by iwamoto at 2016-10-07 13:10 x
少なければ有益である場合もある、毒と薬の関係にもありますね。

少なければ有益とは言い切れないでしょうが、スレッショルド・レベルは
殆どのものにあると思います。
これは間違いないでしょう。

ホルミシスを言う者達はオカルト集団である、と騒ぐ人たちも居るようですね。
意見が違っても、そのような態度では共感を得られないと思うのですが。
Commented at 2016-10-07 13:11 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by giovannibandw at 2016-10-07 17:34
iwamotoさん、こんにちは。
批判で根拠を明確にしているものは未だに知りません。
どちらかというと、下司の勘繰りのようなものばかりでした。
2つ目はwikiの図を貼りつけたのですが、環境によっては表示されないかもしれません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2

プリントスクリーンして貼り直ししてみました。見えるでしょうか。
Commented by iwamoto at 2016-10-07 21:45 x
業務連絡   「見えます」
Commented by sternenlied at 2016-10-07 22:21
早速記事にしてくださってありがとうございます。興味深く拝見しました。
ミトコンドリアは生物のメカニズムの鍵を握ってますが、
ここでもやはりミトコンドリアが大きく関わっているのですね。
要点はミトコンドリアを活性化し得る細胞への刺激ということですね。
その理論は、病気や症状を起こし得る物質を微量に与えることによって適度な刺激を与え、
生体を活性化させ抵抗力を引き出す効果があると唱えられたホメオパシーにも共通してるように思えます。

有益なものから有害なものへ、逆に有害なものから有益なものへと変わる
限界線量である「しきい値」というのがあるそうですね。
実際に利用し良い効果を得る為には、そのしきい値を設定するのが極微妙で難しいところでしょうね。
15世紀の医学の巨人であったパラケルススに有名な音葉があります。
「全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。
その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ」と。
Commented by giovannibandw at 2016-10-07 22:33
sternenliedさん
一言でいうと、水素原子をイオン(プロトン)と電子に分離するための刺激であり、トリガーの役目です。
プロトンモーターは、原子力エンジンで回っているというイメージですね。
ミトコンドリアの研究によって、男女の寿命の差の原因や、癌細胞の発生メカニズムが解明されています。
それはまた別の機会に。
by giovannibandw | 2016-10-07 11:18 | Comments(6)
写真はイメージの多面体  身近なシーンの新たなインプレッション

by Lucian
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